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建築デザイナー 伊藤均さん

伊藤均さん
形を作るって,楽しい!
建築デザイナー
伊藤均さん
所属:株式会社 アトリエ・ジーアンドビー
関連情報URL:http://www.g-b.jp/

建物のデザインと線対称

みなさんは線対称を利用したデザインの建物を見ると,どんな印象をもちますか。線対称を利用したデザインは,見た人に安定感,安心感,落ち着きといった印象を与えます。それは,昔からある建物には,線対称を利用しているものが多く,古くから多くの建物で利用されて見慣れていることもあって,安定感や安心感を覚えるのでしょう。昔は,例えば王様が作ったという権威を象徴するためにも,線対称のデザインが利用されていたようです。そのためか,今でも宗教的な建物は線対称なデザインにこだわることが多いです。逆に現在では,今までとは違う新しいデザインの建物を…という流れから,線対称を避けてデザインする傾向もあります。また,周りの家への日当たりを遮らないようにすることなどを考慮すると,線対称の家や建物をデザインすることは,なかなか難しい場合もあります。
建物のデザインをしなくても,線対称は誰でも簡単に作ることができます。例えば折り紙を半分に折って,好きな形に切りとる。開いてみれば,それは線対称です。建物のデザインも線対称の勉強も,そんなに難しいことではないんですよ。まずは手を動かして作ってみる。それがいちばんだと思います。

デザインの工夫

建物にはいろいろな種類があります。目的も様々です。例えば,家と学校を建てるときでは,考え方は全く違います。家は住む人が決まっているので,その人達の生活スタイルや要望に合わせてデザインを考えます。学校は使う人が様々で,人が毎年入れ替わっていく場所なので,多くの人が使いやすいと感じるデザインを考えます。以前に学校をデザインしたときには,朝登校したときに日の光が玄関あたりに入るよう工夫するなど,使いやすさ以外も考えてデザインしました。学校には窓がたくさんありますが,それは床面積に対しての採光が決められているからなんですよ。いろいろなきまりがあるので,そういったことも考慮してデザインをしていきます。

形を作るって,楽しい!

仕事をしていて楽しいと感じるのは,使う人,お客さんの様々な要望を聞いて,自由にデザインを考えていくときです。デザインパターンをたくさん考えて,お客さんに「こんなのはどうでしょう?」と提案していき,それが「いいね!」と言ってもらって形になっていく…そういう過程がとても楽しいです。特に,お客さんが自分で気がついていない要望をつかんで「もっとこうした方がいいのでは?」と提案し,「そんなふうに考えていなかったが,やっぱり提案してもらったデザインの方がよかった。」と言ってもらえると,とても嬉しいです。また,たくさんのパターンを考えるには,本当に必要な情報を実際に動いて,見て,感じて,形にすることを大切にしています。

好きなことを見つけて追求しよう!

子どものころからずっと,工作やプラモデルなど何かを作ることが好きでした。建物が好きで建物だけデザインしたいと思っていたわけではなく,車などのデザインもよいと思っていました。ただ一貫して,ものを作ることが好きで,それがしたかったんです。だからこそ,みなさんにはいろいろな体験を通して,自分の好きなことを見つけてほしいと思っています。好きなことを見つけて,それを続けて追求していくと,自然とそれが仕事になるような気がします。私だけでなく,昔からの友だちもみんな,出会ったころから今もずっと,好きなことを続けている人が多いですしね。それに,自分が好きなことを頑張って,成果が出て,誰かに喜ばれるって,とても素敵なことだと思いませんか。だからまずは,何でもいいから自分の興味がわくものに目を向けて,そこから手をつけていったらいいんじゃないかな。

この仕事を選んだ理由を教えて!

とにかくものを作ることが好きだから。

小学生のころに好きだったことを教えて!

◆わくわくしたこと:遊園地で車を運転すること。父の車の助手席に乗ること。
○得意だったこと:工作。プラモデル。
★好きだった教科:図画工作。理科の実験。